税金の罰金と利息
申告が間違っている場合、加算税と延滞税というものがかかります。
例えば、申告すべきだったものを無申告だった場合の無申告加算税とか、申告はしたけれど間違っていた場合の過少申告加算税とか、悪質な脱税をした場合の重加算税などがあります。
延滞税は本来支払わなければならなかった税金を払っていなかったわけなので、その分はお金を借りていたのと同じことになります。
なので、延滞税という形で利息を取ります。
今回は無申告加算税と重加算税の話は置いておきます。申告が間違っていて調査が入った場合の過少申告加算税と延滞税についてお話しします。
別のページにも書きましたが、調査は1年ではきません。だいたい3~5年くらいできます。
3年目に来た場合を想定してみましょう。
1年目に間違いの処理をしていたら3年間、間違えるということになります。そして修正申告をすると3年分の元々支払うべき税金と加算税と延滞税をまとめて支払うこととなります。
安心してはいけないのは調査では法人税の追徴をするわけですが、法人税に訂正が入れば法人住民税、法人事業税なども訂正が入るので、法人税以外の税金の元々支払うべき税金と加算税と延滞税もまとめて支払うこととなります。そして間違えの内容によっては消費税も修正、延滞税、加算税を払います。
当たり前ですが一気に資金繰りが悪くなるので、間違いはしたくないものです。
個人でしたら、所得税、住民税、個人事業税、国民健康保険税に影響がでるので、所得税だけだと思って安心しないでください。
税金の罰金と利息 第2の恐怖
これもまた当たり前の話ですが、上記の例として3年分の修正が入り、加算税と延滞税を50万円支払ったとします。
50万円は現金で出ていきます。非常に痛い出費です。しかもその50万円は損金にはなりません。
会計上は費用として計上します。つまり損益計算書には50万円は費用として表示をします。
税務上では費用(損金)とはしません。つまり最終的な利益が100万円だった場合、その100万円は50万の費用を差し引いて計算したものですが、税務上は費用にはなりませんので、150万円の利益として税金を計算することとなります。
法人税、住民税、事業税、復興特別税などの合計の税率が30%と仮定します。
※利益の金額や会社の規模によって税率は違いますので、今回は30%とします。
通常50万円の費用を使えば、利益が減りますよね。
その場合50万円×30%=15万円税金が安くなります。
つまり50万円支払っても税金が15万円安くなるので実質の負担は35万円ということとなります。
しかし加算税、延滞税は税金は安くならないので、50万支払って実質の負担は50万となります。
なので、70万くらいの費用を使ったのと同じ負担になります。70万×30%=21万 は実質49万円(約50万)の負担ですよね。
つまり、罰金等で50万円支払うことは、費用として70万円支払うことと同じ負担になるということです。
しかも50万円を従業員の賞与にでもあてることができれば将来の売上増につながる可能性がありますが、この罰金等は資金繰りも悪くし会社の売上にもまったく貢献しません。
もったいないですよね。税務は非常に難しいものですが間違えないように気を付けましょう。
千代田区神田の税理士事務所 佐藤修治税務会計事務所