雇用促進税制 事業主都合の離職
Q:当社は工場を営んでいます。離職が多い業種であるため常にアルバイトやパートを雇っています。
当期は利益が大幅に出ることが予想されるため雇用促進税制の適用を受けたいと思っております。
要件の一つに、適用年度と前事業年度において事業主都合による離職者がいないこととなっております。雇用保険の対象となるパートはたくさんいたのですが、事業主都合の離職者がいるかどうかどう確かめればよいですか?
また、ハローワークや税務署はどう確認するのですか?
A:まずは、雇用促進税制を受けるための流れを確認しましょう。
(1)事業年度開始から2ヶ月以内にハローワークへ計画書を提出し印を押してもらう
(2)事業年度終了後に、ハローワークに計画書を提出し、雇用促進税制の適用があるかの確認を受ける
(3)(2)のハローワークからの書類と一緒に申告書を税務署に提出する
上記の流れではハローワークが証明することになっていて、税務署は書類を確認するのみとなっています。
では、ハローワークで証明書類をどのように出すかということになります。
従業員が離職する場合、「雇用保険の資格喪失届」を提出します。
その書類には喪失原因を記載する場所があります。そこで、「事業主の都合による離職」というものにチェックしてしまえば、事業主都合による離職があるとされます。
また、離職票を作成する場合の書類でも離職の理由を記載することになっています。
そこで、事業主都合にしてしまっていては、今回雇用促進税制の適用を受けることはできません。
よって、資格喪失届や離職票の控えを確認して事業主都合がないかをチェックしてもらえれば適用を受けられるかの確認ができます。
ごくまれに小規模の会社で、従業員都合の離職であるにもかかわらず、従業員が早く失業保険を貰いたいと理由で「事業主都合の離職」にチェックをしてしまう経営者がいます。
その場合でも当然、雇用促進税制の適用を受けることはできません。
※雇用促進税制は計画に基づくものになりますので、顧問税理士に事前に雇用予定を伝えて計画を立ててください。
計画は経営者の頭の中にあります。よって、税理士と顧問契約をしていれば勝手に計画書を作ってくれるわけではありません。
千代田区神田の税理士事務所 佐藤修治税務会計事務所