これからの地域復興のあり方について 2
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【時事解説】これからの地域振興のあり方 その2
記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター
では、内発的発展によって、地域内に立地する中小企業が事業展開を図るためには何が求められるのでしょうか。
カギとなるのが、中小企業による地域資源の活用です。地域資源とは、一般的に農林水産物や鉱工業品などといった地域の特産物や、伝統的な技術、文化財、自然、観光資源などを指しますが、「強み」となるものを、幅広くとらえる視点が大切になります。
地域の中小企業が地域資源を活用している事例をみていきましょう。島根県には海士(あま)町という、隠岐諸島の中にある1島1町の地域があります。人口は約2,600人で、人口減少と財政逼迫の状況が続いていました。そこで、海士町では2004年に自立促進プランを策定し、守りの戦略として歳出抑制を図ると同時に、攻めの戦略として地域資源を生かした新産業創出と定住促進を積極的に図っていきました。
地域資源活用を図る中で、海士町では2005年に株式会社ふるさと海士という企業を設立しました。同社は町の出資による第三セクターで、町長が代表取締役を務めています。同社では、岩がきや白いかを中心とした地域の水産資源を加工し、鮮度を保つことのできる冷凍技術によって冷凍した状態で販売する「隠岐・海士 島風便」ブランドを確立して、島外への販路開拓を図っています。
海士町において、こうした地域資源活用による内発的発展が可能となっている背景には、地域振興においてリーダーシップを発揮する町長の存在や、島の素材を使って商品開発を行うIターン移住者などといった地域振興の担い手となる「人」が存在することがあげられます。(了)
千代田区神田の税理士事務所 佐藤修治税務会計事務所