「うるう秒」の調整とトラブル懸念 その2
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実は、「うるう秒」については、廃止の議論が持ち上がっています。というのは、1秒を挿入することで、コンピュータなどに想定外のトラブルが生じる恐れがあるからです。
前回のうるう秒の調整は、2012年7月に行われました。そのときは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスがアクセスしづらくなる、海外の航空会社でシステム障害が起き、400便以上に遅れが生じる、さらには、いくつかのウェブサイトでは、サーバーの時刻がずれる、といったトラブルが報告されています。いずれも軽微なトラブルですみましたが、今後、予想を上回る大きなトラブルが発生する可能性はゼロではありません。
実際、うるう秒を廃止した場合、天体と標準時のずれは40年で24秒程度といわれています。さほど大きなずれではないため、なかには、現状の1秒を調整するのではなく、40年まとめて24秒を調整すればよいのではないかといった意見も出ています。
こうした廃止論は出ているものの、世界全部の国が廃止を主張しているわけではありません。日米をはじめとするIT先進国の多くは廃止に賛成しています。そのなかで、イギリスは、19世紀からグリニッジ天文台で世界の標準時刻を決めてきた伝統もあり、正確な時刻へのこだわりから、廃止には反対しています。
11月にはスイスのジュネーブで開催される世界無線通信会議で、うるう秒を廃止するかどうかを議論する予定です。廃止か継続か、いずれにしろ今年の7月にはうるう秒の調整があります。まずは、この日、何らかのシステム障害が生じる可能性があることを意識しておくことが必要です。(了)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立