正しい決算書が経営者を守る その1
事務所だよりです。
経営者のお役にたてるような記事を配信しています。
少しでも経営にお役にたてていただければと思います。
決算書は経営者にとってどんな意味があるのか考えてみましょう。
決算書の作成目的は大きく二つに分けられます。一つは経営者が自分の会社の経営状況を正確に把握するためであり、もう一つは会社外部の株主、債権者などの利害関係者に対して会社の財務状況を説明するためです。会社の内容を正しく知ることは、会社が成長、発展するための基礎ですから、経営者は前向きにとらえることができますが、株主や債権者などへの外部向けの説明は、法的に強制されているからやむをえず行っている、といったとらえ方をしがちです。しかし、外部向けの説明を軽視してはいけません。決算書は経営者を守る最大の盾となるからです。
決算書の出発点は株主に対する財産説明にあります。会社は株主が資金を出し合って作ったものですから、会社の所有者は株主です。小規模なら、少人数の株主が自ら資金を出し合い、自分で経営することができますから、外部からの資金提供は不要であり、外の人間に財務状況を説明する必要はありません。しかし、会社の規模が大きくなると、株主数が多くなり、経営者と株主は異なってきます。また、資金調達も株主資本に加えて、銀行などの債権者も出てきます。すると、株主や債権者は他人である会社に自らの資金の運用を託しているのですから、会社を経営する経営者は株主や債権者に対して預かった財産の運用結果、つまり当初預かった財産をどれくらい増やしたのか、あるいは減らしてしまったのかを説明しなければなりません。その説明書が決算書です。(つづく)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立