「逆オイルショック」の懸念と影響 その2
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なぜ、原油安は起こったのでしょうか。一つは、原油に供給過多が起こったことが挙げられます。その一因となったのが米国のシェールガス革命により大量の原油が採掘されるようになったことがあります。
これに対して、減産して供給量を減らせば価格は戻りますが、昨年11月、OPEC(石油輸出国機構)は減産を見送ると発表し原油安を加速させました。産油国にとって、原油安は収益の低下になるため、通常ならば価格が回復するよう、減産などの手を打つはずです。OPECが減産を見送ったのには理由があります。
というのは、今後も原油安が続けば、米国のシェールガス企業の中には、採算がとれず撤退を余議なくされるところが増えます。これは、OPECにとって、シェール革命で奪われた原油のシェアを回復する絶好の機会となるので、OPECは供給過多と原油安を容認したといわれています。
実は、米国シェールガス企業が被る打撃も、世界経済への悪材料だといわれています。もともと、米国経済の好調の理由の一つは、シェールガス革命により、これまでOPECに流れていたお金が米国に流れる点にありました。
原油安が進めば、シェールガス企業の破たんが続き、結果、米経済好調の理由の一つが危うくなります。これは、米国にとって打撃となる可能性は否定できません。米国は世界経済の中心にあります。傾けば、日本をはじめ、世界全体に悪影響が及ぶことになります。
こうした状況下、今後、原油安による「逆オイルショック」が起こり、世界経済は混乱に陥るのか。原油の値動きを気にしながら、世界各国の動きを意識しておく必要があります。(了)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立