伝統産業における海外販路開拓 その2
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では、伝統産業に携わる中小企業は支援機関のサポートを受けつつ具体的にどのような海外販路開拓の取組みを行っているのか、京和傘の老舗であるA社の取組みをみていきましょう。
A社の海外販路開拓のきっかけは、2006年に京都商工会議所の支援を受けて行ったパリで開催された世界最大級の展示会「メゾン・エ・オブジェ」への出展でした。出展にあたり京和傘の製造技術・意匠・構造を生かしながらそこに近代的なデザインを加え実用的なスタイルへと変化させたランプシェードを開発したのです。
A社の社長は、京都の伝統産業製品の海外販路開拓推進のために立ち上げられたプロジェクト「コンテンポラリー京都」の中心人物としても活動しています。「コンテンポラリー京都」では、海外のショールームに展示することを主目的とした活動が行われています。
またA社の社長は、蓄積した海外展開の経験を生かして別会社を設立し、伝統産業品をはじめ、デザインにすぐれた商品をもつ企業の海外展開を支援する活動を行っています。
このように、伝統産業に属する中小企業が、支援機関のサポートを得ながら伝統工芸品の製造によって培った基盤技術を活用しつつ高付加価値の新製品を開発し、海外に販路を開拓する取組みが行われています。展示会への出展を契機として、同じく出展する他の事業者ともお互いに相談し合ったり、情報を交換し合ったりすることもできます。
そしてそうした取組みの中からA社のようなトップランナーが登場し、他の事業者に海外販路開拓の経験などを伝授していくことによって、取組みの輪が拡がっていくのです。(了)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立