温泉宿泊施設の連携による事業展開 その2
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では、温泉宿泊施設が連携することによって、具体的にどのような取組みが可能となるのでしょうか。
熊本県阿蘇郡南小国町の黒川温泉には、24の温泉宿泊施設が存在しますが、温泉旅館が個々に事業展開の取組みを行うだけでなく、旅館同士が一体となった取組みが推進された好事例がありますので、やや昔のものではありますが、ここで確認していきましょう。
まず、1980年代に各旅館が露天風呂を設置する取組みが行われました。その過程では、「田舎らしさ」を全面的にアピールすることが重視され、各温泉宿泊施設同士でコンセプトの共有が行われました。1986年には、「入湯手形」が導入され、1枚の入湯手形で3ヵ所の旅館の露天風呂への入浴を可能とする取組みが行われました。さらに翌1987年には、植樹が行われるとともに個人看板を撤去する代わりに共同看板が設置され、街並みの環境整備が行われました。
近年でも旅館組合では、日曜朝市、温泉観光シンポジウム、マラソン、そうめん流しなど様々なイベントを推進しています。これらのイベントには、旅館に勤務する従業員なども積極的に参加し、地域が一体となった取組みが行われています。
また、外国人観光客の呼び込みを促進するために旅館組合で韓国語のマップを作成するなどの取組みも行われています。
黒川温泉では、温泉旅館の連携によるさまざまな取組みが行われていますが、その主たる担い手となったのは、1980年代に地元に帰ってきたUターンによる温泉宿泊施設の後継経営者でした。このように連携を推進するには危機意識をもった担い手の存在が求められるのです。(了)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立