メーカーが野菜を生産する時代の到来 その2
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植物工場は野菜生産の方法を大きく変えるものでもあります。一例を挙げると、室内で生産するので、天候に左右されることもなく、計画的に作物を生産できるようになります。これまで、台風や干ばつ、雪害などが起こると、野菜の価格が高騰し、消費者の生活に影響を及ぼしていました。
メーカーには製品を安定的に供給する生産管理の技術があります。植物工場では生産管理のノウハウを応用し、野菜の生産量が不足、あるいは過剰にならないように数量をコントロールしています。野菜の価格が安定すれば、農家はもとより、消費者にとっても大きなメリットを受けることができます。
ただし、電機メーカーの真の狙いは、農業に参入することではありません。現在、農業では、生産性向上が課題になっています。今回、メーカーは自ら野菜の生産をはじめることで、農業の現場が抱える課題を肌で感じることが可能になります。
そして、蓄積したノウハウをもとに植物工場のシステムをはじめとする、課題を解決するためのソリューションシステムを開発し農家へ販売することで、ソリューション事業の利益を伸ばすことが可能になります。
メーカーの植物工場、野菜生産の取り組みは、自社の技術や遊休設備を従来とはまったく異なる分野に応用することで、新たなビジネスが生まれることを示しています。とくに、植物工場は、第一次産業と第二次産業という、まったく異なった分野での融合により生じたビジネスです。今後はこうした別次の産業を組み合わせて、従来の自社製品とは異なるものを生みだすところにビジネスチャンスがあるといえます。(了)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立