企業は人の一生を保証できるのか その2
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医療の進歩は人の寿命を引き伸ばします。これから退職する人は百歳まで生きることも決して珍しくない時代が到来します。一方で経済潮流の変化は激しく、一歩間違えば企業は一気にその寿命を終えてしまいます。それは中小企業に限ったことではありません。ナショナルフラッグとして君臨した日本航空は破綻しましたし、安定企業の代名詞であった東京電力も今や生き残りに必死です。どんな優良企業でも企業の寿命が人間の寿命より長いとは断言できません。企業が人間の生涯にわたる保証を行えると考えるのは、企業の傲慢なのかもしれません。
退職後の経済保証をかつて所属した企業に求める時代は終わったといえそうです。唯一、人間の生涯にわたる年金を保証できる主体は国家だけということになりますが、現在の我が国の財政状況を見ると国家にも全幅の信頼を置くことはできません。
最終的には自分しか頼りにならないと考えた方がいいでしょう。その意味で運用を自己責任で行う確定拠出型年金がより重要になります。確定拠出型でも現在の環境では決して高率の運用ができるわけではなく、場合によっては損が出ることもあります。しかし、それは他の誰の責任でもなく運用資産を選択した本人の責任です。
退職者はかつて所属した企業からの自立が求められる時代に入ったことを覚悟しなければなりません。(了)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立