粉飾決算は割に合わない その2
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決算書はこれまでの経営実績であり、この実績を基に将来の予想図を描きます。「将来、私の会社はこんなバラ色の未来があるのだから、今、会社に資金を投下しても損はありませんよ」と訴えかけます。決算書に示される現在までの実績が赤字や債務超過なのに、「将来になれば会社は立派に成長します」といくら説いても説得力はないかもしれません。そこで、決算書を粉飾して現在までの実績を糊塗しようとします。発射台のベースを高くすれば、将来像を説得力を持って語ることができるからです。しかし、それで当面、会社は存続できても、資金提供者をだましたのですから、資金回収ができないときは厳しく断罪されます。
業績が悪くなっても粉飾をせず正直に決算を組み、そこで資金提供者の了解が得られなければ、その時点で破綻するべきです。この段階なら債権者の傷も浅いですし、真面目に取り組んだ結果であれば、周囲は理解してくれ再出発も可能でしょう。しかし、粉飾をしてしまうと、債権者の損失は必要以上に膨れ上がり、債権者は激怒します。また、決算書の粉飾はビジネスにおける最大の裏切りですから、粉飾を行った経営者に対する信頼感は地に落ちます。いつの時代でもビジネスの基礎は人間に対する信用です。粉飾はその信用を決定的に傷つけますから、どんなに更生したとしても再出発は困難になります。さらに、場合によっては刑事罰を課せられることもあるのですから、粉飾に伴って払う代償は高くつきます。
粉飾はとても割に合う行為ではありません。(了)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立