余剰キャッシュをどう使うか その2
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上場企業は株主から強烈なプレッシャーがかかりますから、キャッシュの使い道は大きなテーマです。経営者はキャッシュをどのように使うのが将来の会社のためになるのか、常に考え続けています。ところが、株主圧力の弱い非上場企業では余剰キャッシュの使い道がおざなりになってしまいがちです。
非上場企業でも収益率が高く、その割には投資機会が少なく、キャッシュが豊富に貯まっている企業があります。しかし、非上場企業の株主は経営にそれほど関心を持ちませんし、非上場企業にとって重要な経営監視機能を持つと期待される金融機関にしても、キャッシュの増大は自分の債権の回収可能性の向上につながるので、余剰キャッシュの使い方に注文を付けることは多くありません。その結果、自社に有望な投資機会がなくなると、深く考慮することもなく、キャッシュをそのまま積み上げておきがちです。しかし、安易にキャッシュを放置すると、最後に大きなつけを払うことになりかねません。なぜなら、利益蓄積によるキャッシュの積み上がりは、裏では自己資本が増大し、株価が相当高くなっているわけですから、事業承継に苦労することになるからです。
その意味で、キャッシュリッチな非上場優良企業においても、物的投資だけでなく、M&Aも含めた積極的な自社投資や配当などの株主還元、あるいは従業員への還元、場合によっては地域社会への貢献等、キャッシュの有効な使用方法を真剣に考えておく必要があるといえます。(了)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立