債権者と株主の決算書の見方の違い その1
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決算書を必要とするのは、会社の利害関係者です。ただ、その利害の持ち方により、会社への関心の持ち方も異なり、決算書に対する注目点も変わってきます。
貸借対照表の借方に利害を保有する人は、会社から見れば債務者ということになりますが、債務者とは会社にカネを支払わなければならない人ですから、払う相手の会社の内容には余り興味はありません。
一方、貸借対照表の貸方に利害関係を有する人がいます。貸方の利害関係者は二つに分かれます。一つは買掛金や借入金のような負債として利害を有する人たちです。仕入先や銀行などが該当しますが、この人たちは会社から見れば債権者です。債権者は会社から直接カネを受取らなければなりません。会社が倒産すれば、カネを受取ることができませんから、会社の内容に大きな関心を持っています。
債権者はできるだけ債権回収のリスクを抑えたいので事前に会社と契約を交わし返済方法や利息の支払いを確定させます。銀行が会社に融資を行い、会社がその融資金で事業を行いどんなに莫大な利益を上げても、当初約束した以上の利息は受取ることはできません。したがって、その会社が利益をどれ位上げたかということには興味がありません。一方、返済は株主への残余財産の分配に先立って行われます。株主財産がある限り、すなわち債務超過でない限り、必ず債権者への返済が行われます。株主財産が少しでも残っていれば債権者は全額回収できるのですから、株主財産すなわち自己資本がどれくらいあるかが重要です。(つづく)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立