仮想通貨ビットコインの過熱と危険性について
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「ビットコイン」をご存じでしょうか。これはインターネット上の仮想通貨で、買い物や決済、送金などに利用できるお金です。最近では、インターネット上の店舗だけでなく、レストランやカジノなどのリアルな店でも使用できるようになり、普及が進んでいます。
日本にも取引所があり、日本円やドルとの間で交換もできるので利用可能です。実際に、六本木のレストランなど、取り扱いをはじめる店も現れました。とはいえ、米国などと比べるとまだまだ普及が遅れているのが現状です。
ビットコインが米国をはじめ世界各国で普及した理由の一つは利便性の高さにあります。海外のサイトで買いものをした場合、ビットコインならば振り込むだけで決済でき、面倒な登録作業を省くことができます。しかも、決済に関する手数料はゼロで、クレジットカードによるドル決済のように、1%強の為替・事務手数料がかかることもありません。加えて、送金手数料も不要です。国際間の取引を頻繁に行なう人にとって、その利便性は高く評価されています。
そもそも、ビットコインが注目されるようになったきっかけは、2013年キプロスの金融危機にあります。同国政府が銀行預金への課税を決めると、国民のなかにはウエブ上にあるビットコインに資産を移し、自分の資産を守ろうとする人が多く現れ注目が集まりました。
その次に、過熱の要因になったのは中国です。同国は海外との資産取引を制限しているため、富裕層が海外に資産を移転するため、ビットコインを利用し話題となりました。(その後、中国政府は取引を禁止しています。)
その利便性の高さから、普及したビットコインですが、取引量が増えるにしたがい、問題点が指摘されるようになりました。主な問題は、大きく二つあります。一つは、ビットコインの投機的な側面、そして、もう一つはマネーロンダリングです。
ビットコインの相場は不安定で、2013年1月には13ドルでしたが、11月には1200ドルを超えました。ところが、その後、中国政府は人民元への悪影響を懸念し、中国の金融機関に対してビットコインを用いた金融商品や決済サービスの提供を禁止にしました。これで相場は急落し、800ドル前後まで下落しています。
マネーロンダリングも問題視されています。ビットコインは銀行などと違い、足がつかずに金銭のやりとりができます。ビットコインを介在して、犯罪に関わる資金を送金するようなことがあれば、犯罪を助長することにもなります。こうした犯罪に加担する危険性から、適切な規制を検討する必要があるという意見も出ています。
利点、問題点が混在するビットコインですが、国により扱いはさまざまです。ドイツのように、ビットコインによる納税や国内取引を認めている国もあれば、英国、マレーシアのように懸念を示す国もあります。日本は、そもそも日本銀行券への信頼が厚く、現金決済の割合が高いので、他国と比べてビットコインが普及しづらい環境にあるといえます。とはいえ、その利便性から、今後、日本でも他国に遅れてビットコインの普及が進む可能性があります。そのときには、利点と問題点をしっかりと把握したうえで、利用することが大切です。
記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立