ネーミングとパッケージは、製品化の仕上げ作業について
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売り場やテレビなどで、どうも気になると思わせるようなパッケージデザインに出会ったことはありませんか。そのような印象に残る、購買意欲がそそられるようなネーミングやパッケージデザインには、共通点があります。
商品の開発は、機能性や利便性を追求することがすべてではありません。ネーミングやパッケージで印象付けられたイメージも重要な要素です。
ネーミングやパッケージデザインを考えるときには、普通最初に商品の分析から始めます。@商品の特徴は何か、Aターゲットはどこか、を絞ることがマーケティング上重要です。対象とする年齢によって、好みの色やデザインが違います。シニア層、キャリアウーマン、主婦層、若年層などによって、中心となる価格帯も違います。そして、パッケージにも、商品の顧客層に合わせたネーミングやデザインが求められるのです。このように開発コンセプトを明確にしないと、沢山の商品の中に埋もれてしまいます。曖昧な表現では伝わるものも伝わってきません。何を伝えたいのかを明確に表現することです。
ただし、あまりに商品に思い入れがあって、シンプルさに欠けたデザインや説明的なネーミングは、逆に何を伝えたいのか分からず、消費者の心を遠ざけてしまいます。多くの場合、消費者は一瞬で判断してしまいます。何よりシンプルで分かり易いデザインとネーミングを心がけることが重要です。
では、具体的な作業について考えてみましょう。
一番に決めなければならないのはパッケージの形状です。容器の形状が決まらなければデザインの構図が決まりません。内容物が破損しない形状なのか、輸送に適する形状なのかなどが求められます。
デザイン工程に入るのは上記の形状が決まってから行います。最初に市場動向調査です。実際に店頭に足を運び、他社商品のパッケージデザイン、ロゴ、ネーミングなどをチェックし、共通して使われている要素は何なのかを把握しましょう。その上で、他社にはない独自性のあるパッケージデザインやネーミングのコンセプトを打ち出していきます。
さて、そのときの具体的なデザインを詰める作業ですが、ここでは一般論を述べておきます。まず、プロのデザイン会社に頼むにしても、社内で検討するにしても、最初から多くの関係者がかかわると、万人がなんとなく納得するものになりがちです。過去の例から見ると、みんながいいというデザインは、だいたい失敗します。それは自分の意見を押し通さずに周りをみてしまうからです。上司や会社としても、最初から口を挟まずに、自由に考えさせることを心がけましょう。
ある程度の方向性が決まったら、パッケージのデザインが他の意匠権に抵触していないか、ネーミングが著作権に抵触していないかを調べる必要があります。これを行わないと、無免許で運転しているようなもので、他社から訴えられる危険性があります。
ここまでいってから、次の工程はテスト販売やモニター調査などに移ります。売れる商品を世に出すことは、そう簡単ではありません。
記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立