縮小の中から膨らむ商機について
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縮小の中から膨らむ商機
10月31日、テレビのニュースはこう伝えていました。「今日誕生した赤ちゃんはすべて70億人目です」と。国連の統計によると、世界の総人口は、14年後の2025年に80億人、32年後の2043年には90億人に達するといいます。また、12年前には「60億人目の地球住民」として当時、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで誕生した男児アドナン・ネビッチ君が認定されました。今回は70億人目を特定しませんでした。その背景には、増加し続ける人口の問題に世界の関心を集めたいとの意向があったとききます。
日本は2005年から自然減となり、高齢化も進んでいきます。日本は世界一の高齢化率なのだそうで、その率、なんと23%。また、国別、地域別の人口も変化し、2021年にはインドが14億人に達し、2044年にはアフリカの人口が現在の2倍の20億人に達するのだそうです。
急激な人口増加で食糧や飼料、産業や生活を支えるエネルギーの確保の重要性が増しています。人口の都市部への集中による環境保全や水の確保も喫緊の課題でしょう。なぜなら、現在2人に1人が都市に集中していますが、2046年には3人に2人が集中することになることが予測されているからです。
世界人口の増加と国別、地域別の人口分布が大きく変化する中で、食料やエネルギーなどの需給構造も大きく変化することは想像に難くありません。その構造が変化するグローバル市場で商機を掴むべく、新たなチャレンジを試みている日本企業も少なくないのです。
大手商社は新興国での農業関連ビジネスを拡大しています。ブラジルの農業事業会社を買収しアジア各国に大豆やとうもろこしを供給する予定です。また、中国での肉類の消費の急増に対応するために、中国で配合飼料の合弁生産に乗り出しています。食糧の獲得競争激化へ対応する狙いがあるのです。更に、他の企業体と組んで水道のインフラ整備事業を共同して一括受注する体制を整えています。新興国での水不足が深刻化すると見る証左です。
大手デベロッパーはアジアでの都市開発に力を入れています。人口が集中する都市部の居住空間の環境整備ニーズが高まるとみて、東京都心で培ったノウハウを生かせるのだといいます。
新興国の成長を待って日本の製品や技術を持ち込む従来型の海外展開には陰りが見え始めて久しくなります。人口増加と人口の分布変化、都市化と高齢化、それらに伴う需給バランスの変化に対応する新たなビジネスモデルを生み出す必要があるのです。縮小する日本ですが、今まで培ったノウハウを今こそグローバルに膨らまそうではありませんか。
記事提供者:アタックス 入駒 慶吾
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立