みんなで海外への橋頭堡について
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みんなで海外への橋頭堡を!
1ドル=70円台という円高水準。会社がドル建ての輸出をしている場合、1ドル=90円台の時と比較すると、実質的な円建ての売値は、2割強の低下となります。円での手取りを考えれば、当然、ドル建ての値段を2割強アップしなくてはいけません。どのマーケットでも競争は激化しており、グローバル市場の中で日系企業だけ価格を引き上げていくことは当然困難です。そうなると、利益を確保するため製造原価を引き下げるには、安い部材を購入したり、人件費を低く抑えるしかないでしょう。それらを可能とするための一つの有効手段が、海外進出ということになります。
しかしながら、単一民族であり、同一言語を話し、相手が何を考えているかある程度読み取ることのできる日本国内で企業活動を行なってきた中小企業が、海外進出をいざ実行しようとなると、二の足を踏むのも理解できます。本当に海外の人たちをマネジメントできるのだろうか?と。
単独の進出では厳しいかも知れませんが、仲間と一緒になって海外へ第一歩を踏み出そうとする試みは、どんどん促進していくべきです。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という典型的な日本村の発想かもしれません。
しかしながら、小さな個が単独で進出するよりも、同じ志をもった企業が、各々の経験や英知をあわせ、現地での橋頭堡を築いていくことは意義が深いことです。
ただ、ここで注意すべきことは、この集団進出はあくまでも短期的なものでなくてはならないということです。なぜなら、集団進出が日本社会の延長になってしまっては、海外進出を成功させることは難しくなるからです。
海外に進出した企業が成功するためのキーワードは、現地化です。少なくとも現地の従業員がサポートできるような会社でなければ、事業の継続性を守ることはできません。そのためには、彼ら異文化との交流を深めて、そして日本の尺度で物事を考えないことです。そういう意味で、ある局面では脱日本村を志向しないといけないかもしれません。重要なのは、自分たちが、その土地に根をはって事業展開をしていく覚悟が必要だということです。
ここ1年間で、イスラエル、中近東諸国、中国、アセアン諸国を訪問する機会がありました。どの国でも日本では感じられないパワーを実感できました(ある意味では緊張感ともいいます)。がんばれ、日本。
記事提供者:アタックス 林 公一
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立