復興のスピードUPについて
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復興のスピードを上げよ
政府・与党による東日本大震災復興に向けての臨時増税の方針が決定しました。
臨時増税といえば1991年の湾岸戦争多国籍軍支援のための1年限りの法人臨時特別税と石油臨時特別税が思い起こされます。今回の増税は所得税、法人税の基幹税が中心となり、これに個人住民税、たばこ税が加えられました。実に20年ぶりの臨時増税です。
震災復興財源については、すでに多くの識者が増税、国債、建設国債等々、様々な考え方、具体策を提案しています。震災復興財源に税を充てる場合には、民間経済へ与える影響をできるだけ少なくするため、数年間の増税を前提とし、小幅な税率の引き上げが望ましいでしょう。
その中で一時期俎上にのぼったのが相続税、そして消費税です。
相続税の増税は、その税の性格、つまり人の死によって発生する税であり臨時増税になじむものではありません。
一方、消費税の増税は、震災復興の財源を多くの人が広く薄く負担すべきであるとすれば適しているのかもしれません。識者によっては、消費税率を復興消費税として3年間にわたって1%ずつ引き上げ、3年後にはこの復興消費税を廃止するとする具体的な案も出されていました。
しかしこの案は、経済活動に混乱を招くのは必定であり机上の空論と考えます。そもそも消費税の増税については社会保障目的税として議論されるべきであって、財源捻出議論のたびに消費税を「打出の小槌」のように取り扱ってよいものでしょうか。消費税増税は震災復興と切り離して議論すべきであり、今回、消費税増税が見送られたのは幸いです。
増税法案は、野党との事前協議を経た上で、10月下旬に国会に提出されました。ねじれ国会という物事が決まらない状態ではありますが、いま政治に求められているのは、具体的な復興事業計画と復興財源確保を国家の成長戦略として一体で議論、決定し、復興のスピードを上げることだと思われます。
記事提供者:アタックス 春田 恭輔
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立