リスク耐性のある経営について
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リスク耐性のある経営の実現
日本航空が3月28日、会社更生手続きを完了しました。
本手続きの完了にあたっては更生計画に不履行が生じていないことが認められた結果であり、また業績においても順調に推移しています。同社の2010年4月〜2011年2月累計の連結営業利益は1,749億円を達成、2011年3月期は通期目標である641億円を上回り、過去最高益の更新が確実な状況となりました。
しかし、東日本大震災の影響で、震災以降の旅客数は国内線で28%、国際線で25%程度落ち込んでおり、今後の経営計画の修正が避けられない状況です。
同社の更生計画案における事業計画のポイントの1項目として、「リーマンショックのような金融危機・新型インフルエンザ発生等、イベントリスクの発生時に即応できる体制等を整備することにより、リスク耐性のある経営を実現します。」というものがあります。今後、同社が認識している「リスク耐性のある経営の実現」が喫緊の経営課題となっています。
今回の大震災においては、日本航空と同様に経営計画の修正を行わざるを得ない企業が多数発生していると推察できます。しかし現実を冷静かつ客観的に分析し、まず行うべきことは、今後1年程度の資金繰りの状況を把握し、資金破綻を起こさないように目の前の危機を回避することです。
次に、経営トップは、今後の経営環境の変化が不透明であっても、自社の将来像を描くという最も重要な仕事があり、その将来像の実現に向け、先を見据えた手を打つ必要があります。
その際に、この数年間で今回の大震災やリーマンショックのようにリスクが広範囲で顕在化しているため、経営計画の修正にあたっては、考えうる限りの事業上のリスクを明確にする必要があるのです。
経営資源が限定される中小企業においては、リスクに対して全ての対応策を講じることは困難であると推察できますが、「リスク耐性のある経営の実現」は、全ての企業にとって解決すべき重要な経営課題であり、この解決の方向性は、リスクに即応できる組織能力の向上にかかっています。
記事提供者:アタックス 錦見 直樹
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立