緊急時の対応について
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緊急時の対応
東日本大震災の影響で、エコノミスト達は4〜6月の実質成長率を平均でマイナス3.2%と予測しています。
ただ、サプライチェーンの回復に伴い、景気も夏頃には回復するとみています。この景気に大きな影響を与えているのが生産の減少です。3月の鉱工業生産指数が前月に比して15.3%も低下しました。
これは過去最大の下げ幅です。製造業の生産活動状況を示す鉱工業生産指数が1%落ちると、実質GDP成長率は0.3%落ちるといわれています。減少の要因は原発問題に絡む電力不足、設備倒壊による生産能力の減少、部品不足によるサプライチェーンの滞りなどによるものです。また、家計の消費支出も前年同月比8.5%減で過去最大の減少率を記録しました。要因としては、被災地への配慮による消費者心理の悪化、被災地における消費低迷、首都圏の電力不足による営業時間の短縮などがあげられます。
このような状況下において、企業として景気の回復時までどう対応すべきか、考えてみましょう。まず初めに、影響度を測定することです。
東日本大震災の影響で、生産・消費ともに落ち込んでいる状況下においては、まず初めに影響度を測定することが必要です。単年度予算を修正し、今後の利益がどのように推移するかを予測することから始めましょう。その際、売上関係は増加が見込める得意先、減少する得意先を明確にしておきます。また経費関係も節約可能な経費とそうでないものとの区別も必要です。同時に今後の資金繰り計画も実現性の高い予想で策定します。
次はその資金確保です。雇用調整助成金や制度融資の活用、不要資産の売却等で資金の確保の準備をしておくことが重要です。この手当てだけでは不十分であれば金融機関に相談することになりますが、その際に上記資料を持参すれば、金融機関の対応も異なるはずです。
最後に、的確な情報を集めてできることから行動しましょう。適切に仮説を立てて行動することが大切です。業績回復のチャンスをつかむには、まずは動くことです。論理的思考だけではリスクを恐れて行動が消極的になる傾向があります。ここは直感を信じて動く勇気も必要です。日本の製造業の底力はこんなことでは決して負けないはずです。頑張れ日本!
記事提供者:アタックス 川越 章
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立