強い会社のグローバルな生き方について
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強い会社のグローバルな生き抜き方
この大変な時代に、主力事業の国内生産能力を倍増させる設備投資を意思決定した会社があります。
それがファナックです。当社は、産業用ロボット市場で世界第1位、同シェア20%の企業です。今回の国内での設備投資で、月産2,500台から5,000台へと山梨県の本社工場の生産能力を倍増させるということです。今のところ投資額はシークレットのようですが、これにより世界トップの座を競ってきた安川電機の月産2,650台を大きく引き離すことになります。
国際ロボット連盟は、2013年に中国で産業用ロボット需要が2010年比94.1%増の1万6,500台、インドでは2.5倍の1,500台になると予測しました。また、ブラジルなどほかの新興国でも工場の自動化が進むと見ています。産業用ロボットは、主に自動車ボディーの溶接や塗装に多用されてきました。しかし今現在は注文が多くて生産が間に合わず、お客様に納期面で我慢していただいているようです。そこで、まずはこの分野で使う従来型の多関節ロボットを月産4,000台に拡大するのだそうです。
ファナックは設備投資により、本社工場の生産能力月産を5,000台へ倍増させる方針です。うち4,000台は産業用の多関節ロボットで、残りの月産1,000台は、電子機器の組み立てなど軽作業用のロボット生産用とのことです。特に中国の電子機器製造業界において人件費上昇が大きな課題になっていることに目をつけました。24時間無人化を図る設備であり、EMS(受託製造サービス)向けを狙うといいます。今現在、お客様企業は納期とコストを重視するとのことですが、自社製品を活用した自動化工場で、こうした顧客ニーズに対応するそうです。需要が伸びている市場では製造能力が企業競争力になるとは、創業者、稲葉清右衛門名誉会長の言ですが、まさに日本の高度成長時代を髣髴とさせます。
日本を離れて新興国を見渡せば、そこには生産年齢人口が増大していく成長市場があります。そうした市場の需要を考えれば、まるで高度成長時代のような展開が可能になるのです。もちろん、その前に、世界に通用する強い技術力・製品力があっての話ではあります。生産年齢人口が減少し続ける中、内需頼みでは成長がままならないことは周知の事実です。思い切って基本に立ち返ってみてはどうでしょうか。つまり、自社の強みをグローバルな観点から磨き直すという挑戦です。
記事提供者:アタックス 西浦 道明
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立