グローバル化のビジネスチャンスについて
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グローバル化が最大のビジネスチャンス
前期(2010年8月期)は9期ぶりに過去最高益を更新したユニクロ(ファーストリテイリング)が、今期は4期ぶりの減益を見込んでいます。
前年の「ヒートテック」並みの大型ヒット商品が生まれるかが不透明なことが原因のようです。一方、海外市場でユニクロと競合するZARA、H&Mはいずれも好調です。ユニクロが海外2社を追撃するには、国内市場の低迷に歯止めをかけるとともに、アジアを中心とした海外事業の成長が課題となります。
柳井社長は決算発表の席で「2014年か2015年には海外事業が日本事業の売り上げを超える」と発表し、海外市場の開拓を急ぐ考えを強調しています。ユニクロの海外売り上げ比率は前期で10.7%まで上昇していますが、国内の伸び悩みを補うだけの規模には至っていません。
ユニクロはSPA(製造小売)で日本の衣料品市場の雄となりましたが、柳井社長は日本国内の店舗展開だけで生き残れるとは考えていません。競争に生き残るためにはグローバル化への対応が必然であり、最大のビジネスチャンスと捉えています。たとえば中国進出では、2005年に出店した北京の2店舗は赤字で1年内に撤退しましたが、この時の失敗の分析と軌道修正(ユニクロでは2005年の失敗は低価格を重視して日本向けより素材、品質が劣るものを売っていたことと分析しています)により現在は成功をおさめています。いまや中国では価格を安くしないと売れないと考えるのは間違いのようです。
ところで、最近、ユニクロと楽天が社内の公用語を英語にすることで話題になっています。ユニクロでは2年後から実施するようです。柳井社長は「わが社は世界戦略に向けて海外での積極的な店舗展開と同時に人材採用も行っています。2010年は全世界で600人採用しますが、日本人が300人、残りの300人は外国人です」と語っています。
ユニクロのようにグローバル化を前提に成長戦略を考えている企業は多いです。今後、日本企業における外国人の採用比率がどんどん高まることは間違いないでしょう。月並みですが、これからの若い世代は英語力がなければグローバル市場で戦えない時代です。今後の日本を背負う若い世代には日本を飛び出し、海外で活躍してもらいたいし、企業も積極的に応援してもらいたいです。国も技術立国日本を支える科学技術教育に大胆な予算をつけてほしいし、何よりも世界で通用する人材教育を後押ししてもらいたいものです。教育の現場も世界で戦える人材を育てるよう変わらなければいけません。
私が日頃親しくしている大学教授(最近、民間コンサルティング会社から大学教授に転身)は「大学に来て驚いたことは、学生が内向きで競争を好まないことだ。自分は競争を恐れない人材に育て社会に送り出したい」と教育に懸ける情熱を語っていました。
記事提供者:アタックス 丸山 弘昭
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立