世界地図が変わる!
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世界地図が変わるとき
ある新聞報道では、国によって差はあるものの、経済成長率は世界的に減速し、中でも日本の成長率は大きく低下すると予想されていました。
その一方で、上海万博に沸く中国は今年にもいよいよ日本のGDPを越え、アメリカに次ぐ経済大国になるといわれています。
この世界地図の変化に、私達はどう対応すべきなのでしょうか。
ここで、当事者の了承の範囲に限定されますが、ある若き経営者のビジョンを紹介します。市場シェア100%であるこの会社は、現在はそのすべてが国内売上です。それを5年後には、総売上の80%を国外売上とする、というのです。この会社は、ある特定の顧客のニーズから新製品の開発を世界トップメーカーに打診、その開発段階からコミットし、製品完成後は物流システムも再配置し、付加価値を得るビジネスモデルを構築しました。同社は、自社では開発、在庫、売上債権の回収にかかるいずれのリスクもとらない、ニッチ市場におけるベンチャー商社なのです。
筆者もこのリスクフリーのモデル構築には少なからず関与させていただきましたが、紹介に値すると考えるのはこれだけではありません。市場はニッチでも、この経営者は新製品を供給する際には必ず世界市場を念頭におき、あえて開発に時間がかかる世界トップメーカーと組んでいるのです。
このモデルを実現させたのは、経営者の人間力によるところも大きいのですが、それ以外の理由として主に3つの理由を考えることができます。
リスクを取らずに国外売上を得るためのビジネスモデルを実現させた3つの理由のうち1点目は、マーケティングです。顧客、市場の動向を丁寧に収集し、分析を徹底しました。
2点目は、製品力です。顧客、市場の期待を上回る妥協のない製品を開発しました。
3点目は、組織力です。開発、製造、物流など顧客に至るまでに関与するすべてのメンバーを、「この新製品は顧客をとおして世の中のためになる」と強く意識するひとつのチームにまとめあげました。
この若き経営者は「市場シェア100%は実績で、目標ではない。最新のイノベーションを用いた最強のチームがやっとできた。当面の目標は中国をはじめとするアジア。また、基本的に日本の「常識」は世界の「非常識」であり、日本と「同質」なところはないと思った方がいい。だが、日本は「異質」ゆえ、抜きん出た技術力で世界に受け入れられた。この経験こそ、日本の強み。世界が気にかけない細かいところまで『こだわり』抜いてこそ、日本の存在意義がある」と言います。
この『こだわり』は上記3つの理由の根底に据えられているように思います。さらに、この日本特有の『こだわり』で世界の「非常識」を「常識」に変えるのだという意気込みも感じさせられます。
アジアへの進出は、韓国経由のルート開発を既に済ませています。なぜ韓国経由かは紙面の都合で記せませんが、欧州、北米、他の地域への世界戦略は次世代が考えることとし、アジアに貢献するところまでで自身の経営者としての寿命が来る、とモデルビルダーらしく自らの有効期限も考えています。
世界地図が変わるときを、今までの「非常識」を「常識」に変える好機と捉えてはいかがでしょうか。
記事提供者:アタックス 入駒 慶吾
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立