人材確保とワークライフバランス
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材確保の視点でワークライフバランス対策を
日本国内の事業所内保育所数が、比較可能な1997年以降初めて増加に転じました。
働きやすい環境を整備して仕事と家庭の両立が出来れば、中長期的に人材確保メリットがあると判断する事業所が増えているようです。
2009年は「派遣切り」をもじってつけられた「育休切り(妊娠や育児休業取得等をきっかけに退職勧奨等を行うこと)」が話題になるなど、不況は女性の雇用環境を悪化させています。そんな中、事業所内保育所数が増加したのは意外ではありますが、好ましい結果です。
どうやら、ワークライフバランス対策が少しずつながら進んでいるようです。特に大企業は育児介護休業法の基準を超える制度を取り入れているところも多く、「育児や介護を理由に優秀な人材を退出させたくない」という危機意識が高くなっています。
一方、残念ながら中小企業の取組みは弱いと言わざるを得ません。育児休業を取得させたことのない会社もまだまだ存在しています。リーマンショック以降の不況により人件費圧縮を課題とする企業は多いですが、中長期の視点では人材確保対策の重要性が高まっていることを大企業同様に認識してもらいたいものです。
労働力人口は着実に減少しています。
総務省統計局の発表によると1997年6月の6,908万人をピークに減少の一途を辿っており、2010年2月では6,509万人となりました。2005年以降、出生率は小幅改善していますが、2008年の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に生むと推定される子どもの数)は1.37であり、今後も労働力人口が減少することは間違いありません。
現時点ではバブル崩壊後の就職氷河期を上回る“就職難”ですが、将来必ず“採用難”は訪れるのです。高齢化も着実に進んでおり、介護の為に十分に仕事ができない社員が増加するのは避けられません。
今年の6月30日には改正育児介護休業法が施行され、社員は現状より休業が取りやすくなります。企業にとっては社員の一時戦線離脱を促進するものであり、避けたいことかもしれませんが、是非前向きに考えてもらいたいものです。ワークライフバランス対策は、社員の安心感を生み、会社への帰属意識を高め、採用にも有利に働きます。不況の今こそ十分な取組みが出来れば、社員へのアピール度も高いでしょう。中長期の視点に立ち人材確保対策の一環としてワークライフバランスを考えてもらいたいと思います。
記事提供者:アタックス 永田 健二
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立