iPhoneはなぜ、営業生産性アップに
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iPhoneはなぜ、営業生産性アップに寄与するのか
iPhoneに代表される高機能タイプの携帯電話(スマートフォン)は、数年以内にパソコンの出荷台数を上回ると言われています。
従来にない機能の存在が新鮮だからではなく、革新的なユーザビリティの実装が活用シーンを広げたことが要因です。実際に筆者はソフトバンクテレコムの役員と話をする機会があり、質問してみました。そこでわかったことは、iPhoneをビジネスシーンで活用する人の大半は「役職者」か「営業パーソン」であるとのこと。外出が多く、移動時間で業務処理を強いられる方により高いニーズがあるようです。
しかしiPhoneを手に入れるだけで営業の業務効率化が促進されるわけではありません。導入以前に正しい手順で業務そのものを棚卸しすることにこそ効率化の秘訣があるのです。それでは、どのような手順で業務の棚卸しをすれば、営業の生産性がアップするのでしょうか? 以下にその手順を説明します。
まず「何も書かれていない一週間分のスケジュール帳」を用意します。ここに過去一週間を思い出しながら以下の3つの時間を記入していきます。できれば手帳やスケジュールソフトを見ずに記憶を頼りにして書き出します。
(この記入にはコツが必要で、タイマーを使って時間を計測しながらその場で記入させましょう。宿題にして「明日までに書いてこい」というのはダメです)
1.社外営業時間
2.社内営業時間
3.社内作業時間
そうすると、思い出せない時間が出てきます。これを「使途不明時間」と呼びます。「使途不明時間」が人それぞれどれぐらいあるのか、を見るのがまず重要なポイントです。
「使途不明時間」がどれぐらいあるかがわかったら、次に、社外営業時間に連続性があるか? 移動距離を考慮したエリア戦略ができているか? 社内の営業/作業時間は最適化しているか? 等について議論を進めます。
社内の作業時間を減らすための手順は以下の通りです。
1.やらない
2.任せる
3.短くする
この手順どおり検証します。自分がやったほうが速いから他の人には任せられないという発想をする人が企業の中に1人や2人いるものですが、こういう発想は捨てるべきです。業務効率化されないだけでなく、人も育たないからです。そして最後の、「創意工夫を繰り返して短くする」というプロセスに新しい手順を加えます。これが、iPhoneを使って外へ持ち出すということなのです。【なくすこともできないし、他人にも任せられないし、これ以上短くならない作業】を外に持ち出してiPhone上でできるようにすることで、徹底的に営業パーソンが外に出られる「場」を作っていくことができるのです。
「仮想デスクトップ」などの機能を実装させることで業務効率化を促進させるということが、新聞報道で言われていましたが、確かにそれは可能です。しかしそれ以前に、不必要な作業をしていないか、役割分担がきっちりできているかについて十分な検証ができていないと、目新しいテクノロジーに振りまわされるだけで、想像以上の効果を得ることはできません。iPhoneなどの導入が、「ムリ・ムダ・ムラ」撤廃の絶好のチャンスだ、と捉えてみてはいかがでしょうか。
記事提供者:アタックス 横山 信弘
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立