ミスクレームについて
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ミス・クレームを次の信頼につなげる
トヨタが、アクセルペダルを巡る大規模リコールに関連して、北米でのカムリなど8車種の生産・販売を一時的に停止しました。
目先の損失を恐れるよりも、徹底的に安全を追求することの方が、トヨタにとって重要であるという認識によるものですが、報道をみる限り、後手に回ってしまった感は否めません。もし昨年秋の大規模なリコールに続く今回の問題が長引くことになれば、世界販売計画や業績への影響も心配されます。
こうした企業の危機管理に対する認識が、企業の業績やイメージを左右するケースも少なくありません。新聞報道でも改めて触れられていましたが、三菱自動車やパロマ工業が事故等の対応の不手際で業績悪化や企業イメージの失墜を招いたこと、一方で、石油温風機に関してパナソニックが徹底的な対応をし、企業イメージの失墜を防いだことなどは記憶に新しいのではないでしょうか。
もちろん、今回のトヨタの大規模リコールが中堅中小企業のケースにぴったり当てはまる訳ではありません。しかし、これをミス・クレームに置き換えた場合には、企業規模や業種に関係なく、あらゆる企業が避けては通れないものとなるでしょう。
トヨタの大規模リコールをミス・クレームの問題に置き換えると、あらゆる企業にとって関係のあるものとなります。
もちろん、ミス・クレームが起きないに越したことはありませんが、どれだけ注意していてもその可能性を完全に排除することはできないからです。重要なことは、いかに真摯に取組み、次の信頼につなげるかという点です。
あなたの会社は、ミス・クレームを次の信頼につなげるための危機管理ができているでしょうか。
@ミス・クレームを防ぐための品質管理体制が整備されているでしょうか
Aミス・クレーム発生時には、情報を迅速に吸い上げることができる仕組みが機能しているでしょうか
Bミス・クレームの原因を改善する仕組みが機能しているでしょうか
以上のことは、ある意味当然のことではありますが、当然のことを愚直にやり続けることは決して簡単なことではありません。しかし、やり続けることによって、「ミス・クレームを無くそう、その原因を明らかにしよう、なくすために改善しよう」という誠実な企業風土が醸成されていくのです。
今後も、トヨタがこのリコール問題にどのように対応していくのかは注目していきたい事柄です。そして、その対応をしっかりと検証していくことを通じて、すべての中堅中小企業がミス・クレームに関する危機管理を見つめ直す良い機会とすべきではないでしょうか。
記事提供者:アタックス 磯竹 克人
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立