インターネットでのビジネス環境について
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インターネットでビジネス環境が変わる
6月26日付日経朝刊の記事によると、通信販売市場が成長し、2008年度の全国売上高は推定8兆円強とコンビニエンスストアや百貨店の売上規模を抜いたようである。
特に自宅のパソコンや携帯電話を使ってインターネットで注文する比率が7割以上に達しているのが驚きであり、インターネットの普及により通信販売市場は2000年度に比べて3倍強に膨らんでいる。
現在でもウィンドーショッピングを楽しむために都心の百貨店や郊外型ショッピングセンターに足を運ぶ人も多いと思う。しかし、これらの人々の一部は、品物はリアルの店舗で確認するが買うのはインターネット通販を利用するという傾向が増えている。
ましてや現在働き盛りで仕事に明け暮れるビジネスパーソン、共働きの夫婦や子育て中の主婦にとっては買い物時間を節約できるのは大変ありがたいことであり、通販を日常的に利用している。筆者も書籍購入はほとんどアマゾンを利用するし、ゴルフのドライバーもインターネットで購入したが、まったく問題なかった(ゴルフショップの店員さんには、インターネットで買うと返品できないので問題も多いと忠告された)。
今、アマゾン、楽天といったネット小売業者、あるいはジャパネットたかたのようなTV通販業者が脚光を浴びているが、実はインターネットを使ってビジネスを飛躍的に伸ばしている事業者は我々の身近なところにも結構多い。
例を挙げると、当社の税務顧問先にコーヒーを扱っている会社がある。
元々コーヒー卸商社に勤めていた社長は30歳そこそこで脱サラして一店舗の喫茶店で事業を開始した。喫茶店では売上、儲けともにたかが知れており、売上を伸ばすためにオフィスコーヒー、中元歳暮の業務用卸などを手掛けていたが、飛躍のきっかけは楽天市場への出店であった。今では売上、儲けの大半をインターネットで稼いでおり、大繁盛している。
また、当社の顧問先ではないが親しくしている青年社長がいる。彼は大学卒業後、世間の人が「なぜ辞めるの。もったいない」といわれる一流企業を7年で退職し、起業した。彼が始めた事業はインターネット上の中古本販売であり、起業に先立ってノウハウ修得のために土日を大手中古本チェーン店でアルバイトをして起業の準備をしたそうだ。いま起業して7年経過したが、事業は本格的に軌道に乗り、加速度的に好転していると笑顔で語っていた。
今100年に一度といわれる世界同時不況である。こんな時こそ、経営者は売上減少を嘆くのではなく、これまで行ってきた事業を抜本的に見直す好機である。自社の商品・サービスをインターネットで消費者に提供できないか、更に言えばインターネットで自社のビジネスモデルを変えられないかをぜひ考えていただきたい。
記事提供者:アタックス 稲垣 謙二
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立