されど中国について
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されど中国
最近の新聞やニュースは連日暗い話ばかりである。 また誰がどう考えても世界と日本の実態経済が短期的に良くなることはないであろうし、 皆もそう思っているから消費者も支出に敏感となってマイナスのスパイラルが加速している。
年初でもあるので、今回は、日本は如何なる方向で市場の見直しをすべきかを考えてみたい。 ひとつは、“割安感を伴う必然性”がキーワードになるであろう。企業・個人ともに投資という言葉に敏感になっており、 支出は投資ではなく消耗品やどうしても必要なものに向かうであろうし、またスペックダウンも良しとした、 より低価格の商品が望まれるであろう。
もうひとつは、違和感があるかも知れないが中国における消費市場ではないかと、 あえて提言してみたい。オリンピック前における中国経済は“バブルは弾けるかどうか”ではなく、 “いつ弾けるか”が論点であったように思う。確かに中国のバブルは崩壊中であり、 上海総合指数も最高値の1/3になってしまった。しかしよく観察してみると、バブルが膨らんだギリギリの限界点で弾けたのではなく、 アメリカを震源地とする100年に一度と言われるメガトン級の大地震によって早めに弾けたのである。 つまり、外部要因によって余力がある段階で弾けてくれたので、中国の“賞味期間”の延長に結果的に成功できるのである。)
もちろん、バブルの整理はまだまだ残るのであるが、世界のなかでいち早く回復できそうな大きな市場はやはり中国であろうし、 その中でも混迷が続くアメリカの経済にあまり依存しない日常的な消費市場の拡大が期待できるであろう。 日本における人口統計予測は如何なるアナリストの経済予測よりも正確なものであるが、 それによると15歳から64歳までの人口(労働人口)は50年後に現在の5割になる。つまり50年で国内市場は半分になってしまうのだ。 そう考えると、中国市場は今後の日本にとって大きな魅力であるのは間違いない。
市場の選択に関して、日本市場だけでなんとか生き残っていくシナリオを選ぶのか、あるいは“ゆでカエル” になる前に熱湯から飛び出しグローバル企業の道を選ぶのか、真剣に模索する時であり、猶予期間はそんなに長くはない。
ますます不確実性が高まる時代において、常識で判断するのではなく、歴史から学ぶことが重要である。 日本で1970年代以降に外資系企業がどのような市場分野に、どのように参入してきたかを振り返れば、大変参考になるであろう
記事提供者:アタックス 奥村 浩
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立