中心市街地の活性化
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中心市街地の活性化のために
郊外への大型ショッピングセンター(SC)進出が相次いでおり、その影響で地方都市の商店街が厳しい状況に置かれている。 空き店舗の増加・常態化が全国的な課題として顕在化してきており、中小企業庁の調査でも、「停滞しているが衰退する恐れがある」「衰退している」とする商店街が全体の7割に達しているという。
確かに大型のSCでは、様々な魅力的な店舗が入居しており、品揃えも豊富であるため、消費者は1箇所でほとんど全てのモノを購入できる。かつSC内を回遊する楽しさを味わうこともでき、SCが魅力的な集客装置であることは誰もが認めるところであろう。
しかしながら、大型SCに比べて商店街全体の魅力が低下すれば、商店街への集客力が低下し、中心市街地の衰退、ひいては地方経済に損失を与えることになりかねない。つまり、中心市街地の活性化のためには、商店街はなくてはならない存在であるということである。
そこで最近では、地方都市が独自の取り組みで客足をつなぎとめる例も出てきており、中小企業庁が補助金(正式には、「戦略的中心市街化中小商業等活性化支援事業費補助金」という)を交付することによって制度的な後押しもしている。
例えば、香川県高松市の丸亀商店街では、再開発により人気ブランドを誘致することによって、売上が再開発前の3倍に増えたという。また、長野市では、空きビルのワンフロアを改修し、起業家インキュベーション施設を運営している。
商店街の強み・メリットには、以下の点が挙げられる。
■ 徒歩ないし自転車で行ける手軽さがある。
高齢者ほど自宅から近い場所で買い物したいと考えるのは当然の心理である。
■ SCにはあまり見られない、Face to Faceの接客販売が可能である。
地元の人同士での暖かいコミュニケーションと地域密着化は、 販売における何よりも大きな武器である。
地方都市には、これらのメリットを十分に活かしつつ、商店街に欠けている、品揃えや価格、個性的な専門店の少なさなどの弱みを補うことによって、魅力的な商店街を作っていくことが求められる。
また、商店街が、買い物の場所としての位置づけのみならず、地域住民のコミュニティの場、様々なイベントの開催場所として利用されれば、より一層の賑わいが期待できるのではないだろうか。
例えば、市役所の出張所を設置するとか、絵画教室のようなコミュニティスペースを設けるとか、音楽演奏会を開催するなどの工夫が考えられる。つまり、自然に人の集まる‘仕組み’を作ることが重要である。
いずれにせよ、今後の日本経済の活性化を考えていく場合には、都市と地方のバランスの取れた活性化が求められ、そのためには、商店街の活性化が必要不可欠であり、今後も行政と民間が協力しながら取り組んでいかなければならないであろう。
そうした活動の成果を今後期待したいものである。
アタックス 井東 昌樹
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立