地方に税源移譲
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地方に税源移譲!地方分権はどうなるのか
先の参議院選挙における与党大敗の一因として都市と地方の格差が挙げられている。これは福田政権の重要課題のひとつとして取り組まれているようである。現状、自治体の税収にはかなりの格差があり、人口一人当たりの税収は最も多い東京都と最も少ない沖縄県では3倍〜6倍の格差となる。驚くべき数字である。
企業は本社を置く自治体に対して一旦、(地方税の)納税を行うが、その後、従業員数などにより事業所をおく各自治体に振り分けられるシステムとなっている。その結果、本社機能が集中する東京都に税収が偏在している。元々、自治体は十分な自前の税源を持っておらず、国からの地方交付税によって補填されている状況となっている。上述のような自治体の税源格差は、地方の税源不足に拍車をかけている。地方においては、住民個人レベルでの所得格差に加え、自治体レベルにおいても格差が存在していると言える。
一方、あまり世間では認知されていないが、現在、公会計改革が進行している。具体的には夕張市の破綻をきっかけとして、各自治体で自らの財務諸表を作成し公表しようとするものである。既に一部の自治体では独自の会計基準によって貸借対照表を作成公開していたが、今まで公共部門のための統一的な会計基準が存在していなかった。このため、今回、新たに公会計用の会計基準の指針が発表され、平成20年度に財務諸表を各自治体が作成し国に報告することが義務づけられた。これによって、第二、第三の夕張市の発生を防ごうとしているのである。
この公会計改革を前提とした中央からの権限委譲と税源移譲が、地方分権を進めるうえで大変重要となる。果たして、地方の時代は来るのか?今後注目である。
記事提供者:アタックス 中神 邦彰
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立