環境対策は経営ピンチに
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環境対策は経営ピンチ?
「地球環境問題は今世紀における人類の最大の問題」といわれている。企業にとっても「環境問題」への対応次第ではその存続が危ぶまれる時代になってきた。経営者には環境対策も視野に入れた経営が求められてきている。
「環境規格」という言葉がある。これを聞くと国際規格であるISO14001を思い浮かべられる方も多かろう。しかし、中小企業のために、ISO14001に代わる、よりわかりやすい規格で必要経費も安価なKES(京都・環境マネジメントシステム・スタンダード)という環境規格
がある。また、中小企業の環境改善に関する情報提供は、金融機関の他、中小企業基盤整備機構でも行っている。
このように中小企業の環境対策の負荷低減やサポートの仕組みが整いつつあるが、いざ環境対策を実行に移す段階になると、その効果について、少なくとも実行前と実行後のチェックをする必要がある。このチェックはマクロ的に期間比較を行うのがセオリーであり、比較検討を行う上で説明責任を明確にする有効な手段のひとつが会計情報であろう。とすれば、会計情報の土台となる会計処理が各期でまちまちであっては話にならない。様々なサポートがあるとは言え、環境対策はそれなりに企業に負担を与えるものであり、その負担に耐えうる状態にあるか否かの現状認識を正確に行うことが第一歩である。
環境規格の「KES」と同様に、中小企業のための会計処理の拠りどころとなるものに「中小企業会計指針」がある。この指針は資金調達の多様化などから会計の質の向上を図る取組みを促進するために公表されており、中小企業はこの指針に拠り計算書類を作成することが推奨されている。また、「環境規格」と同様に「中小企業会計指針」の適用企業には金利優遇等の支援策を用意している金融機関もある。
上場企業は、会計基準の遵守が制度化され、環境対策にはISO14001という相応に経営資源の投入を要する規格により対応している。一方、中小企業には同様のレベルの対応が要求される訳ではなく、様々なセーフティネットが用意されている。今回はこのセーフティネットとして、「KES」と「中小企業会計指針」を紹介した。
今後こういうセーフティネットの役割を十分に理解し、自社に取入れ活用し、健全な経営体質を構築することを検討されてはいかがだろうか。
記事提供者:アタックス 入駒 慶吾
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立