人材獲得戦略
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ありますか?人財獲得戦略
大手企業での早期・希望退職の実施企業数が5年ぶりに増加しているとのことである。
かつては、経営が悪化してから焦って早期・希望退職者を募るのが一般的であったが、今回の増勢の特徴は、黒字企業が今後の成長を維持するために、早めに人員調整をしている例が増えている。
これは、「人材の流動化」時代に向けての幕開けの兆候かもしれない。早期・希望退職は、退職金の割増等の優遇制度を設けて、退職希望者を募る制度である。組織の新陳代謝を高める意味で有効ではあるが、あくまで本人の希望が前提であるため、どこでも活躍できる自信のある優秀な人財がこの制度を利用して流出してしまうリスクがあることは否めない。
一方、大企業で揉まれた優秀な人財が求人市場に出てくることは、中堅・ベンチャー企業にとっては魅力的である。しかし、早期・希望退職制度による退職者が全て優秀であるわけではない。大きく分けると以下の4つのタイプがいることを肝に銘じておいて欲しい。
@本当に優秀な人財。
言い換えれば、会社ではなく本人に付いている人脈を持っている人である
A大企業の看板で仕事をしてきたのに、それが自分の実力であると勘違いしている人。
B能力や意欲はあるが、その会社では十分活かされず、新たな環境を探している人。
Cそもそも仕事ができない人で、勧奨に近い形で制度を利用して辞めた人。
中堅・ベンチャー企業にとって本当に欲しいのは、間違いなく@の人財ではある。 しかし、このような人は、自ら転職先を探す力があり、転職市場に出てくること自体少なく、 報酬条件でも合わないことが多いであろう。Cは論外であり、採用面接で見抜くことは難しいことではない。Bは環境がマッチすれば貴重な戦力になる可能性が高い。 やっかいなのはAである。採用側も@と勘違いするケースが多く、誤って採用してしまうと、会社をかき乱した上で、浮いた存在になってしまうことになりかねない。
採用を企業の重要な戦略として位置づけしている会社は意外に少ない。しかし、これからますます採用環境は厳しくなっていく。採用の失敗は、金銭的なものだけでなく、精神的な苦痛も含めて会社が受ける損失は大きい。採用の失敗を教育でカバーするのも限界がある。
採用に失敗しないためには、面接等の採用体制をしっかりと整えるともに、どんな人が欲しいのか、その人に何をやってもらうのか、そしてどう報いるのかといった会社としての「人財獲得戦略」を明確にしておくことが今後さらに重要になってくると言える。
記事提供者:アタックス 稲垣 謙二
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立