不注意な配当はやめよう
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不注意な配当は避けるべし
三洋電機が業績不振子会社などの評価を見直したところ、原資不足のまま株主に配当していた可能性がある旨が報道されている。
配当は“内部留保”の範囲内で行うことが義務付けられているが、この範囲を超えて配当を行った場合には、取締役は「会社財産を危うくする罪」として、「5年以下の懲役、500万円以下の罰金」という“罰”を受けることとなる。
また、会社法で可能となった期中での配当により、結果として期末において会社が欠損に陥ることとなった場合には、配当を実施する判断に誤りがなかったことを証明したり、また株主全員が免除に同意したりしない限り、期中での配当に同意した取締役は連帯して欠損を補填する義務を負うこととなる。
これらのことは何も上場会社に限られたことではない。中小企業においても当然に適用される。オーナー一族以外に、従業員持株会や取引先など外部株主がいる場合には、配当を出さなければならない場面もあるとは思うが、不注意な配当は思わぬ結果を招くこととなるのだ。
注意すべきは、“内部留保”のとらえ方であり、これは公正妥当な会計処理に基づいて算定される、ということである。三洋電機の一件も、原因は正にここにある。
従来、中小企業は「税務会計」に重点を置き、税務処理に合わせた会計処理を行うことが一般的であった。ところが昨今、税務と会計の乖離が目立つ改正が行われるようになってきており、「税務会計」だけでは公正妥当な会計処理が出来ているとは言い難い状況となってきた。
このような状況を受けて、2005年8月、「中小企業の会計に関する指針」が公表されている。この指針を参考に、いま一度、会計処理を見直し、自社の正しい“姿”を知る必要があるのではないだろうか。
千代田区神田の税理士佐藤修治税務会計事務所 会社設立