想定されるトラブル
最近、籍を入れない事実婚の方が多いようです。
長く一緒に暮らしているので籍を入れる必要性を感じないとか
苗字が変わる現行の法律に納得がいかないとか
様々な理由があるのでしょう。
相続ではどうかというと、結論を言うのであれば内縁の夫が亡くなっても内縁の妻は相続により財産を取得することができません。
※相続人がいない場合、特別縁故者として財産を取得することができるケースもありますが、例外だと思ってください。簡単ではありません。
その夫に子供がいない場合には、その夫の親か兄弟が財産を相続することになります。
一緒に住んでいた家から追い出されるかもしれませんし、夫名義の通帳に二人でコツコツ貯金していた場合でも、夫名義の預金を内縁の妻が取得することはできません。
※内縁の妻が出資を証明して持分を主張することができれば、ある程度お金が戻るかもしれませんが、実際には難しいでしょう。
仮に内縁の妻を他の相続人が認めている場合で、他の相続人が「内縁の妻にも相続させたい」といった場合はどうでしょうか?
やっぱり相続はできません。
内縁の妻に財産を取得させるには、一度相続人が財産を取得し、相続人が内縁の妻に贈与しなければならないため、多額の贈与税が発生する可能性があります。
贈与税は相続税と違いすぐに税金がかかるので注意が必要です。
名義変更の手続きも2度することになるので、お金と手間もかかります。
アドバイス
大切に思うのであれば籍を入れましょう。
そうでなければ、遺言書を作り内縁の妻が財産を取得できるようにしましょう。
また相続税が発生する場合、籍を入れた妻と内縁の妻とでは税額が大きく変わります。
受けることができる数々の特例も受けることができません。