役員貸付金について
役員貸付をする場合には、気を付けなければならないことがあります。
とはいっても、このページを見てくださっている方は、「会社から社長がお金を借りることなんてあんまりない」と思っていることでしょう。
確かに、金銭消費貸借契約書などを作って会社からお金を借りる方は、少ないでしょうね。
しかし、経理をしっかりと行っていない中小企業では貸付金が自然に発生してしまうケースが多いです。
社長1人や従業員が5人くらいの会社だと、現金出納帳を作っていない会社が多いです。
社長が会社の口座からお金をおろして、それを事業の経費に使って、その記録を付けていない又は月末とか年末にまとめて記録をする。という場合に貸付が発生する可能性があります。
例えば、社長が5万円現金で引き出したとします。
振込や、経費に使って領収書などが3万円分出てきたとします
残りの2万円はしっかりと会社の口座に戻していますか?
これを使ってしまうと、差額の2万円は会社から社長がお金を借りたことになってしまいます。
また給料以上のお金をおろしてしまう社長も多くいます。
その場合も本来の給料より多く引き出した金額が役員貸付金となります。
問題なのは銀行借入するために試算表を作成したり、年末の決算書の作成時に役員貸付金が残ってしまう場合です。
税務署の問題
役員にお金を貸し付けた時は、税務上は利息を取らないと問題になります。
つまり「役員に対する貸付の受取利息」として法人に収益として計上しなければならないということです。
そして、その利息分は役員への貸付の増加となります。
利率については自由ではありません。銀行の借入状況などにもよりますので、一概に○%とは言えません。
低い利率で利息を計上したり、利息を計上しなければ税務調査で指摘をうけるでしょう。
銀行の問題
銀行借入の考え方にも記載しましたが。
銀行は誰にでも貸してくれるわけではありません。計画性があるしっかりとした人間に貸して利息とともに回収したいのです。
何も考えず経理をいい加減にした挙句、社長に貸付があるのではイメージが悪いでしょう。
それだけでなく、「貸付」そのものについても考えてみましょう。
あなたが誰かからお金を貸してくれと頼まれた時に、その人間が誰かにお金を貸していたらどうですか?
例えば
友人が300万円貸してくれと言ってきた。その友人は他の人間に200万円貸している。
そんな相談をうければ、まず貸している200万円を回収しろ!と言いますよね。
銀行も同じですよ。
法人が社長にお金を貸している状態で、銀行からお金を借りる。
バカにするな!という話ですよね。
日々の現金や預金の管理をしっかりして、役員貸付がでないように気を付けましょう。
千代田区神田の税理士 佐藤修治税務会計事務所