小規模共済制度加入対象者の拡大
平成26年度の税制改正で、小規模共済制度加入対象者の拡大されます。
今まではサービス業の経営者は従業員5名以下でなければ加入することができませんでした。
今回の改正で、サービス業のうち宿泊業又は娯楽業を営んでいる経営者であれば、従業員数が20名以下であれば加入できることとなりました。
<小規模共済制度について>
(1)小規模共済制度とは
わかりやすくいうと、小規模の会社や個人事業の経営者のための退職金制度です。
小さい会社の経営者や個人事業主は、自分の退職金の準備をすることは難しいです。
日々の経営だけで精一杯でしょうし、退職金のメリットを教えてくれる人も、計画を立ててくれる人もいない可能性があります。
そのために国が全額出資した独立行政法人が行っている制度です。
国が経営者のために作った制度なので、特別有利な制度です。
(2)支払金額
支払金額はすべて所得控除額となります。
支払った金額×(所得税率+法人税率)が減税額になります。
税金を安くするための控除は種類が限られています。生命保険や個人年金などは支払った金額全額を所得控除とできませんし、限度があります。
しかし、小規模共済制度は支払った全額が所得控除となり、受け取った時には退職金として税金が発生しない可能性が高くなります。
よって支払段階で税金を低くし、貰うときには税金が発生しない又は税金が低くなるという素晴らしい制度です。
※20年以上支払っていれば、掛金額よりも戻ってくる金額が上回るでしょう
(3)問題
会社の経費になるわけではありません。
会社の経営者の場合は、役員報酬を支払い所得税や住民税、社会保険・厚生年金を差し引いた金額が手取りとなります。
その手取り金額から個人的に支払うこととなります。
個人の預金からの支払いですので誰かが支払計画を立ててくれるわけではありません。よって払込金額を高額にしすぎると、資金ショートを起こしてしまう可能性があります。
小規模の経営者の場合は、個人の資金がショートするとすぐに会社から持ち出してしまいます。よって会社の資金ショートにつながる可能性がありますので、小規模共済に加入するときは、税理士と金額を相談して、加入金額を加味して役員報酬額を決定しましょう。
千代田区神田の税理士事務所 佐藤修治税務会計事務所